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明後日、11月23日は祝日ですが、土曜日ですので営業中です。
ファイル№3『動機』
飲食業に従事している人間にとって御客様が『ありがとう』と言って帰られる瞬間が最高の報酬なのだと思います。思えば四十数年前に私が飲食業を志した動機も、その瞬間を感じたかったからなのでしょう。
Bar.のブログに記載されている写真はバー『やまざき』のコースターです。創業者、山崎達郎氏の数あるオリジナルカクテルの中にフライハイトというカクテルがあります。ウンダーベルグ1本、ホワイトミントリキュール、スロージンリキュールという処方に私は驚愕しました。癖のあるウンダーベルグを一本使い切って一杯のカクテルを仕上げるレシピを私は他に知りません。作ってみると見事に一杯の新しいカクテルがバランスよく仕上がっているのです。癖の強いリキュールのみでカクテルを創作するという発案者の感性に私は感服いたしました。
山崎達郎氏は、その卓越したカクテルづくりの感性以外にも90歳近くまで美術館巡りをし、御自身も個展を開く意欲溢れる姿が印象的な方でした。山崎達郎氏は大正9年に生まれ、昭和33年、札幌にバー『やまざき』を開店しました。新規客にも常連客にも変わらないスタンスで接客をし、御客様の似顔絵の切り絵を数万枚プレゼントし続けた姿勢は多くのファンから尊敬されています。
当然多くの常連客がいらっしゃるのですが、札幌という土地柄もあるのか古くから沢山の観光客も訪れます。私も数度、入店できなかった経験があります。忙しい店内でも一人一人の御客様を気にかけていた山崎達郎氏は何を思ってカウンターに立ち続けたのでしょう。
観光地の老舗バーといえば、百年以上の歴史を持つ巴里のハリーズニューヨークバーも同じかもしれません。巴里にて観光気分丸出しで来店し、バーテンダーに『ホットドック以外の食べ物はないです』と言われて帰る観光客を何人か目撃したこともあります。地下はライブもあるラウンジなのですが、バーならではの1階の立ち飲みスペースで常連客に混ざり味わうカクテルは格別のものです。店に愛情を持った常連客が新規客に席を譲る光景をよく見かけます。バーの嗜みを心得た新規客は店の空気を尊重して、その空間に溶け込もうとします。
近年、日本国内でオーバーツーリズムという言葉を耳にします。現金払い、店内禁煙、飲食の持ち込み禁止などのルールを承諾して入店した当店の外国人観光客による迷惑行為を今のところ殆ど私は経験したことはありません(多少の習慣の違いを感じる事はありますが)。思うに数年間、貯金して地球の裏側まで遥々やってきて、想像を膨らませてきた日本の空気感を味わおうと勇気をもってBar.の扉を開いた人々だと私は想像します。そんな御客様は最初から敵対心を持つような悪意を感じさせる人はいません。言葉の壁はありますが、少ない単語のやり取りだからこそ『今という時間を楽しみたい』『目の前にいる人の今という瞬間を楽しませたい』という単純な意思疎通しか存在しない空間は一期一会の原点なのかも知れません。かつて20年間憧れ続け、易々と行けないからこそ感じた私にとっての巴里のハリーズニューヨークバーへの感情を思い起こさせて頂いています。
今や銀座をはじめ日本国中のバーで観光客を目撃することがあります。親子三代又は、先輩から代々引き継いだ店に通い続けるという習慣が減少していく一方で、新しい日本のバーシーンが展開しているのかも知れません。時代や社会の変貌と共に生活スタイルや風俗風習も変化していくのは過去の例にもれず当然の成り行きなのかも知れません。
その人にとって大切な宝物となる一枚の切り絵を数万枚、数万人に数十年間かけて配り続けた大先輩である山崎達郎氏の偉大さを今改めて感じざる得ません。
平成二十年五月柴田書店発行(平成二十三年五月株式会社新潮社文庫本発行)の岩崎信也著作『食べもの屋の昭和』の中で著者は老舗飲食店について『味、接客、雰囲気といったもろもろの要素。それらが渾然一体となって、ただ一軒だけの味わいを醸し出す』と書き記しています。
きっと、老舗とは周りの状況が変化してもコストパフォーマンスやタイムパフォーマンスでは理解できない、人工知能や数値では再現できない未知数の人間同士による呼吸が生き続けている空間なのだと私は思います。
roppongi0334237577bar で Instagram写真と動画
チャージ・サービス料無し。
Bar.東京都港区六本木5の9の14第七ビレッジビル一階奥
18:30~翌2:30日祝休み?03-3423-7577亭主・木本伸二
http://bar-navi.suntory.co.jp/shop/0334237577/index.html
http://bar-navi.suntory.co.jp/shop/0334237577/drink.html
http://bar-navi.suntory.co.jp/shop/0334237577/food.html
シェア拡散お奨め最新動画!!以下、ユーチューブのアドレスです。
https://www.youtube.com/watch?v=ETLcXeXvKFQ
ファイル№3『動機』
飲食業に従事している人間にとって御客様が『ありがとう』と言って帰られる瞬間が最高の報酬なのだと思います。思えば四十数年前に私が飲食業を志した動機も、その瞬間を感じたかったからなのでしょう。
Bar.のブログに記載されている写真はバー『やまざき』のコースターです。創業者、山崎達郎氏の数あるオリジナルカクテルの中にフライハイトというカクテルがあります。ウンダーベルグ1本、ホワイトミントリキュール、スロージンリキュールという処方に私は驚愕しました。癖のあるウンダーベルグを一本使い切って一杯のカクテルを仕上げるレシピを私は他に知りません。作ってみると見事に一杯の新しいカクテルがバランスよく仕上がっているのです。癖の強いリキュールのみでカクテルを創作するという発案者の感性に私は感服いたしました。
山崎達郎氏は、その卓越したカクテルづくりの感性以外にも90歳近くまで美術館巡りをし、御自身も個展を開く意欲溢れる姿が印象的な方でした。山崎達郎氏は大正9年に生まれ、昭和33年、札幌にバー『やまざき』を開店しました。新規客にも常連客にも変わらないスタンスで接客をし、御客様の似顔絵の切り絵を数万枚プレゼントし続けた姿勢は多くのファンから尊敬されています。
当然多くの常連客がいらっしゃるのですが、札幌という土地柄もあるのか古くから沢山の観光客も訪れます。私も数度、入店できなかった経験があります。忙しい店内でも一人一人の御客様を気にかけていた山崎達郎氏は何を思ってカウンターに立ち続けたのでしょう。
観光地の老舗バーといえば、百年以上の歴史を持つ巴里のハリーズニューヨークバーも同じかもしれません。巴里にて観光気分丸出しで来店し、バーテンダーに『ホットドック以外の食べ物はないです』と言われて帰る観光客を何人か目撃したこともあります。地下はライブもあるラウンジなのですが、バーならではの1階の立ち飲みスペースで常連客に混ざり味わうカクテルは格別のものです。店に愛情を持った常連客が新規客に席を譲る光景をよく見かけます。バーの嗜みを心得た新規客は店の空気を尊重して、その空間に溶け込もうとします。
近年、日本国内でオーバーツーリズムという言葉を耳にします。現金払い、店内禁煙、飲食の持ち込み禁止などのルールを承諾して入店した当店の外国人観光客による迷惑行為を今のところ殆ど私は経験したことはありません(多少の習慣の違いを感じる事はありますが)。思うに数年間、貯金して地球の裏側まで遥々やってきて、想像を膨らませてきた日本の空気感を味わおうと勇気をもってBar.の扉を開いた人々だと私は想像します。そんな御客様は最初から敵対心を持つような悪意を感じさせる人はいません。言葉の壁はありますが、少ない単語のやり取りだからこそ『今という時間を楽しみたい』『目の前にいる人の今という瞬間を楽しませたい』という単純な意思疎通しか存在しない空間は一期一会の原点なのかも知れません。かつて20年間憧れ続け、易々と行けないからこそ感じた私にとっての巴里のハリーズニューヨークバーへの感情を思い起こさせて頂いています。
今や銀座をはじめ日本国中のバーで観光客を目撃することがあります。親子三代又は、先輩から代々引き継いだ店に通い続けるという習慣が減少していく一方で、新しい日本のバーシーンが展開しているのかも知れません。時代や社会の変貌と共に生活スタイルや風俗風習も変化していくのは過去の例にもれず当然の成り行きなのかも知れません。
その人にとって大切な宝物となる一枚の切り絵を数万枚、数万人に数十年間かけて配り続けた大先輩である山崎達郎氏の偉大さを今改めて感じざる得ません。
平成二十年五月柴田書店発行(平成二十三年五月株式会社新潮社文庫本発行)の岩崎信也著作『食べもの屋の昭和』の中で著者は老舗飲食店について『味、接客、雰囲気といったもろもろの要素。それらが渾然一体となって、ただ一軒だけの味わいを醸し出す』と書き記しています。
きっと、老舗とは周りの状況が変化してもコストパフォーマンスやタイムパフォーマンスでは理解できない、人工知能や数値では再現できない未知数の人間同士による呼吸が生き続けている空間なのだと私は思います。
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18:30~翌2:30日祝休み?03-3423-7577亭主・木本伸二
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by 木本 伸二
