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コラム
2025-06-09
Bar.通信『今宵、あのバーの片隅で』
Bar.通信『今宵、あのバーの片隅で』
2000年問題というワードが忘れ去られようとしていた頃だったと思います。Bar.の営業は大盛況とは言えませんがワサワサと賑やかでした。実家の飼い猫が亡くなった年、36歳の私は夏らしい事がしたいと思いプールに海水浴、夏祭りとアクティブに活動していました。今となっては遠い記憶の中に消える夜空に散った花は切ない火薬の匂いがしました。この年、大切な友人を事故と病気で二人亡くした私は顎関節症になりました。それでも目の前に次々と起こる問題に対処し続ける毎日を過ごしていました。数十年後の今振り返りますと、自分が思っている以上に時の流れが速いのに驚きます。
その女性はBar.のカウンターの片隅でマイケルジャクソンが歌う『Ben』を口遊みながらジャックダニエルのトランプを捲っていました。彼女にしか解らないトランプ占いに一喜一憂しながら、いつまでもいつまでも一人遊びをしているのです。明るい笑顔の奥にある哀しみを隠していたトランプ占いには世間の心無い言葉の凶器を和らげる効果があったのでしょうか。
『美人なんて書かれちゃった。嘘ばっかり』冗談にするはずのカウンターの会話が少し愁いを帯びていたのは、幼少からナイーブな性格だった彼女の生い立ちも影響しているてのでしょうか。その女性がBar.を訪れたのは偶然でした。昔話をして判明したのですが、十年程前の1990年頃に私が赤坂のバーで働いていた時に彼女が来店していたのです。コンテンツの宣伝とかを担当していた彼女は小柄な体型からエネルギッシュなパワーが溢れ出ていました。その頃に彼女は、ある男性と知り合ったのです。そして退社、独立を経てフリーランスとしての仕事の傍ら彼女は、その男性のサポートをするようになりました。男性はエンタメや政界でも著名な方で支持者も多くノベルティグッズだけでも相当の収入があるそうです。御本人は無防備なのか自分の名前を無料で使用許可したり、無謀な投資話を受け入れたりしてしまう人だったので周りの人間が冷や冷やしていたようです。いつしか彼女は、持病を抱えていたのに無頓着な男性に対しマネージャーのような振る舞いをしだし、男性に近寄る人々を選別しだします。彼女には、男性を守るんだという意思があったと私は感じていました。しかし、男性の周りの人間の中には、彼女をよく思わない人が多くいたようです。『また週刊誌に勝手な言い分ばかり書かれちゃった』内心は落ち込んでいたはずなのに明るく振る舞う彼女の印象は私にとって笑顔しか思い出せません。しばらくしてBar.への来店が減った時に見かけた彼女は別人のように痩せ細っていました。2019年、彼女が亡くなった後に様々な噂話がありました。なかには自分の余命を知っていた彼女が男性を守る為に人生の負債を持ち去って逝ったという話もありました。カウンターでの一面しか知らない私には彼女らしいエピソードだと感じたものです。2019年の年の瀬にBar.のカウンターの片隅で涙を流す男性の姿を拝見しました。三年後、後を追うように男性は亡くなりました。天に召された魂は喜びに満ちて祝福されていると私は信じたいです。ただ残念なのは欲と俗に満ちた現世では未だに彼女を誹謗中傷する記事がある事です。
Bar.のカウンターで、ほんのひと時、彼女と同じ空間を過ごした人の中には、世間の評価ではなく自分で感じた彼女の人柄を覚えている御客様もいます。その中の一人の方の言葉が私にとっての救いです。『本当によくしてもらった。美学がある人だった。記事に書かれているような人ではないと思っている』
Bar.通信 今宵あのバーの片隅でフィクション&ノンフィクションより
roppongi0334237577bar で Instagram写真と動画
チャージ・サービス料無し。
Bar.東京都港区六本木5の9の14第七ビレッジビル一階奥
18:30開店。日祝休み03-3423-7577亭主・木本伸二
http://bar-navi.suntory.co.jp/shop/0334237577/index.html
http://bar-navi.suntory.co.jp/shop/0334237577/drink.html
http://bar-navi.suntory.co.jp/shop/0334237577/food.html
シェア拡散お奨め最新動画!!以下、ユーチューブのアドレスです。
https://www.youtube.com/watch?v=ETLcXeXvKFQ
2000年問題というワードが忘れ去られようとしていた頃だったと思います。Bar.の営業は大盛況とは言えませんがワサワサと賑やかでした。実家の飼い猫が亡くなった年、36歳の私は夏らしい事がしたいと思いプールに海水浴、夏祭りとアクティブに活動していました。今となっては遠い記憶の中に消える夜空に散った花は切ない火薬の匂いがしました。この年、大切な友人を事故と病気で二人亡くした私は顎関節症になりました。それでも目の前に次々と起こる問題に対処し続ける毎日を過ごしていました。数十年後の今振り返りますと、自分が思っている以上に時の流れが速いのに驚きます。
その女性はBar.のカウンターの片隅でマイケルジャクソンが歌う『Ben』を口遊みながらジャックダニエルのトランプを捲っていました。彼女にしか解らないトランプ占いに一喜一憂しながら、いつまでもいつまでも一人遊びをしているのです。明るい笑顔の奥にある哀しみを隠していたトランプ占いには世間の心無い言葉の凶器を和らげる効果があったのでしょうか。
『美人なんて書かれちゃった。嘘ばっかり』冗談にするはずのカウンターの会話が少し愁いを帯びていたのは、幼少からナイーブな性格だった彼女の生い立ちも影響しているてのでしょうか。その女性がBar.を訪れたのは偶然でした。昔話をして判明したのですが、十年程前の1990年頃に私が赤坂のバーで働いていた時に彼女が来店していたのです。コンテンツの宣伝とかを担当していた彼女は小柄な体型からエネルギッシュなパワーが溢れ出ていました。その頃に彼女は、ある男性と知り合ったのです。そして退社、独立を経てフリーランスとしての仕事の傍ら彼女は、その男性のサポートをするようになりました。男性はエンタメや政界でも著名な方で支持者も多くノベルティグッズだけでも相当の収入があるそうです。御本人は無防備なのか自分の名前を無料で使用許可したり、無謀な投資話を受け入れたりしてしまう人だったので周りの人間が冷や冷やしていたようです。いつしか彼女は、持病を抱えていたのに無頓着な男性に対しマネージャーのような振る舞いをしだし、男性に近寄る人々を選別しだします。彼女には、男性を守るんだという意思があったと私は感じていました。しかし、男性の周りの人間の中には、彼女をよく思わない人が多くいたようです。『また週刊誌に勝手な言い分ばかり書かれちゃった』内心は落ち込んでいたはずなのに明るく振る舞う彼女の印象は私にとって笑顔しか思い出せません。しばらくしてBar.への来店が減った時に見かけた彼女は別人のように痩せ細っていました。2019年、彼女が亡くなった後に様々な噂話がありました。なかには自分の余命を知っていた彼女が男性を守る為に人生の負債を持ち去って逝ったという話もありました。カウンターでの一面しか知らない私には彼女らしいエピソードだと感じたものです。2019年の年の瀬にBar.のカウンターの片隅で涙を流す男性の姿を拝見しました。三年後、後を追うように男性は亡くなりました。天に召された魂は喜びに満ちて祝福されていると私は信じたいです。ただ残念なのは欲と俗に満ちた現世では未だに彼女を誹謗中傷する記事がある事です。
Bar.のカウンターで、ほんのひと時、彼女と同じ空間を過ごした人の中には、世間の評価ではなく自分で感じた彼女の人柄を覚えている御客様もいます。その中の一人の方の言葉が私にとっての救いです。『本当によくしてもらった。美学がある人だった。記事に書かれているような人ではないと思っている』
Bar.通信 今宵あのバーの片隅でフィクション&ノンフィクションより
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チャージ・サービス料無し。
Bar.東京都港区六本木5の9の14第七ビレッジビル一階奥
18:30開店。日祝休み03-3423-7577亭主・木本伸二
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by 木本 伸二
